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貨物軽自動車運送事業(軽貨物運送業)届出完全ガイド

貨物軽自動車運送事業(軽貨物運送事業)を長崎県佐世保市で始めたい方向けの届け出完全ガイドを、監修しました。

これから開業される方で、まずは自分でやってみたい方、手続きの内容が知りたい方向けの内容となっております。

コペル行政書士事務所では貨物軽自動車運送事業の届け出代行も行っております。
「自分でやってみたけど難しかった」「忙しくて手続きが進まない」「単純にめんどくさい」という方はご依頼いただくことも可能となっております。初回相談1時間無料です。

以下からお気軽にご連絡ください。

軽貨物運送業の基礎知識

軽貨物運送業(正式名称:貨物軽自動車運送事業)は、軽自動車や二輪自動車を使用して他人の荷物を有償で運送する事業です。近年のEC市場拡大により需要が急増している一方で、2025年4月からは安全対策が大幅に強化され、事業者には新たな義務が課せられています。

軽貨物運送業の特徴

  • 参入障壁が低く、軽自動車1台と運転免許があれば開業可能
  • 許可制ではなく届出制で、届出と同日に黒ナンバーへの変更が可能
  • 個人事業主から法人まで、幅広い事業形態に対応

自宅兼営業所も可能で一人で始められるため、比較的始めやすいビジネスと言えます。

軽貨物運送業の法的基盤

法的根拠と管轄

軽貨物運送業は貨物自動車運送事業法第2条に基づく「他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業」として定義されています。

主要な法令体系

  • 貨物自動車運送事業法
  • 貨物自動車運送事業法施行規則
  • 貨物自動車運送事業輸送安全規則(2025年4月改正施行)

 事業の要件

軽貨物運送業を営むには以下の要件を満たす必要があります

  • 車両要件:軽自動車1台以上の保有(車検証の用途欄に「貨物」と記載さていている軽貨物自動車が望ましい。現在は乗用車でも届け出は可能ですが、載せられる荷物の量は少なくなります。)
  • 施設要件:営業所・車庫・休憩施設の確保
  • 運送約款:適切な運送約款の整備
  • 運行管理体制:適切な運行管理体制の構築
  • 損害賠償能力:十分な損害賠償能力の確保(自賠責、任意保険への加入などにより担保)

必要書類と届出手続き

 基本的な必要書類

軽貨物運送業の開業に必要な書類は個人・法人共通で以下の通りです。

運輸支局への提出書類

  • 貨物軽自動車運送事業経営届出書(2部)
  • 運賃料金設定届出書(2部)
  • 運賃料金表(運賃表)
  • 事業用自動車等連絡書(2部)
  • 車検証のコピー(納車がまだの場合は車の仕様がわかる書類に代替可能)
  • 運送約款(標準軽自動車運送約款使用の場合は不要)

届出書の記載要領

貨物軽自動車運送事業経営届出書の記載ポイント

個人事業主の場合

  • 氏名欄には個人名を記載
  • 営業所名は「○○本店」「○○運送」等の屋号も可能
  • 運行管理責任者は事業者本人でも可

法人の場合

  • 会社の正式名称を記載
  • 代表者氏名も併記
  • 法人住所(本社所在地)を記載

運賃料金設定届出書・ 運賃料金表の作成

  • 運賃料金設定届出書(2部)

運賃料金表は荷主に対する料金提示の根拠となる書類です
国土交通省のサイトにひな型があるので、ぜひ活用しましょう。

  • 運賃料金表(運賃表)

標準価格が国交省のサイトにもありますので特にこだわりがない場合は標準価格で埋めていくのが早いです。

大抵の場合、自分で企業から直接運送を受ける時はこの価格ですが、ヤマトJP佐川アマゾン等の大手運送からの委託価格で運送を行うことになることにはご注意ください。

 運送約款について

運送約款は運送契約の基本条件を定める文書です

国土交通省の標準的な運送約款をを使えば手間が省けるため、スタートの際はおすすめです。
オリジナルで作りたい方は運輸局との打ち合わせが必要になり、時間と手間が余分にかかるのため、申請スケジュールには注意しましょう。

約款の添付は本来必要ですが、国土交通大臣が定め公示した標準約款を使用する場合は、届出書にその旨を記載することで約款の添付は不要とすることができます。以下リンクを参照ください。

尚、選んだ約款については事務所に保存、出来れば掲示しておいて頂く必要があります。下記のリンク先をプリントアウトして営業所に掲示しておいて下さい。

標準貨物軽自動車運送約款の主要内容

  • 運送の引受け・申込み
  • 運送状の記載事項
  • 貨物の引渡し
  • 運賃・料金の収受
  • 損害賠償責任

標準約款を使用する場合は届出不要ですが、独自約款使用時は届出が必要です。注意しましょう。

黒ナンバー取得手続き

軽自動車検査協会での手続き

  • 事業用自動車等連絡書(運輸支局で押印済み)
  • 車検証原本
  • 黄色ナンバープレート(前後2枚)
  • 住民票(個人)または法人謄本(名義が異なる場合)

車両要件

使用可能な車両

軽貨物車(4ナンバー)

  • 用途:貨物
  • 最大積載量:350kg

軽乗用車(5ナンバー)

  • 2022年10月より構造変更なしで使用可能
  • 最大積載量:(乗車定員-乗車人数)×55kg
  • 4人乗車時は軽貨物事業として使用不可

2025年4月施行の安全対策強化制度

 制度改正の背景

平成28年から令和5年にかけて、事業用軽自動車の死亡・重傷事故件数が約4割増加したことを受け、国土交通省は安全対策の強化を決定しました。

新たに義務化される安全対策

営業所ごとに安全管理者の選任が必要になりました。web上の講習を受けることで要件が満たせます。
以下からお申込みいただけます。

 貨物軽自動車安全管理者の選任・講習選任要件

選任要件

  • 営業所ごとに1名以上選任(バイク便事業者は除外)
  • 個人事業主は本人または配偶者・家族従業者を選任可能

講習義務

  • 貨物軽自動車安全管理者講習:選任時に受講
  • 貨物軽自動車安全管理者定期講習:選任後2年ごとに受講

届出義務

  • 選任時は運輸支局等への届出が必要
  • 届出事項:事業者名、安全管理者氏名・生年月日、選任年月日、講習修了年月日

初任運転者等への指導・適性診断

ドライバーの乗車前に初任運転者の適性診断が必要です。こちらは営業所に1人ではなく、全ドライバーの方に必要です。
こちらから受講申し込みが可能です。

区分対象者実施時期
初任運転者過去3年間に軽貨物に乗務経験なし乗務開始前
高齢運転者65歳以上65歳到達後1年以内
事故惹起運転者死傷事故等を起こした者再度乗務前

記録・報告義務の強化

①業務記録

主な記録項目

  • 運転者等の氏名
  • 車両番号(ナンバープレート等)
  • 業務の開始、終了及び休憩の日時
  • 業務の開始、終了及び休憩の地点
  • 業務に従事した距離
  • 主な経過地点
  • 1年間の保存義務

②事故記録

  • 事故概要・原因・再発防止対策
  • 3年間の保存義務

③事故報告

主な記録事項

  • 乗務員等の氏名
  • 事故の発生日時
  • 事故の発生場所
  • 事故の概要
  • 事故の原因
  • 再発防止対策
  • 重大事故発生時は30日以内に国土交通大臣へ報告
  • 2名以上の死者を生じた事項については、24時間以内に運輸支局等に速報する必要があり

罰則規定

設置が義務付けられている「貨物軽自動車安全管理者」ですが、以下に該当すると罰則が課せられます。

  • 重大な事故を引き起こしたときに、報告せず、又は虚偽の報告をした場合:50 万円以下の過料
  •  貨物軽自動車安全管理者を選任する規定に違反した場合:100万円以下の罰金
    貨物軽自動車安全管理者の選任若しくは解任に係る届出をせず、又は虚偽の届出をし た場合:100万円以下の罰金

保険・リスク管理

自賠責・任意保険の切り替えを忘れないようにしましょう。乗用車保険より高額になるケースが多いですが、もしもの時のために必ず備えましょう。

運行管理・安全管理業務

点呼の実施

軽貨物運送業では点呼の実施が義務とされています。

業務前点呼

  • ドライバーの酒気帯びの有無(アルコールチェック)
  • ドライバーの健康状態(疾病・疲労・睡眠不足)
  • 車両の日常点検結果

業務後点呼

  • ドライバーの酒気帯びの有無
  • 車両の状態、道路状況
  • 運行中のトラブルの有無

日常点検・定期点検

  • エンジンルーム内の点検
  • 車両外回りの点検
  • 運転席での点検
  • 走行中の点検

個人事業主の場合は事業者本人または家族が点呼を実施します。
1人の場合は点呼記録の作成・管理を行うことで点呼が実施できます。

よくある質問

安全管理者の選任はいつまでに行う必要がありますか?

2025年3月31日までに届出した既存事業者は2027年3月31日まで猶予があります。2025年4月以降の新規事業者は速やかに選任が必要です。

初任者適性診断はいつまでに受診する必要がありますか?

既存事業者は2028年3月31日まで猶予期間があります。新規事業者は該当する運転者の乗務開始前に受診が必要です。

個人事業主でも安全管理者の選任は必要ですか

はい、個人事業主でも営業所ごとに安全管理者の選任が必要です。本人または配偶者・家族従業者を選任できます。

 届出書の控えを紛失した場合はどうすればよいですか?

 再発行はできませんが、運輸支局に「証明願」を提出することで、事業届出の証明書を取得できます。委託ドライバーとして働く際は、提出が必要になることがありますので届出書の控え一式は必ず保管しておきましょう。

運賃料金の変更は可能ですか?

可能です。運賃料金変更時は「運賃料金設定変更届出書」を運輸支局に提出する必要があります。

まずはお気軽にご相談ください

「自分でやるのは面倒」「確実に開業まで進めたい」という方は、ぜひコペル行政書士事務所へお任せください。
必要書類の案内から黒ナンバー取得まで、経験豊富な行政書士がスムーズに代行します。

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