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【Web制作・IT事業者・デザイナー向け】基本契約書と発注書の使い分けとは?取適法・フリーランス新法・著作権対策を行政書士が解説

IT業界・Web制作事業者向けの基本契約書と発注書の使い分け、取適法およびフリーランス新法対策について解説するイメージ画像

長崎県佐世保市で地域密着の企業法務サポートを行っております、コペル行政書士事務所です。
IT・Web制作の業界は、技術の進歩やプロジェクトの進行が非常に速いという特徴がありますね。

そのため、目の前の業務やお客様への対応を優先するあまり、契約書の整備が後回しになりがちな領域でもあります。

「仕様変更に善意で応じていたが、契約書がないため追加請求できなかった」
「外注先のエンジニアと著作権の認識がズレており、納品後に大きなトラブルに発展した」

これらは、継続的な取引の実態に即した、適切な契約構造を構築していなかったことに起因するケースがほとんどです。

この記事では、IT・Web事業者様が安定して事業を継続し、予期せぬ損害を予防するために必須となる基本契約書と個別契約書(=発注書等)の運用方法について解説いたします。

この記事を読んでほしい人

・過去にWebサイト制作やシステム開発で、仕様変更や追加費用の未払いで損害を被った経験がある経営者様

・エンドユーザーと外注エンジニアの間に立つ立場で、現在の契約書や発注書のフォーマットに法的な不安を感じている企業の責任者様

・継続的な取引において、毎回の事務負担を減らしつつ、法的な安全性を確実なものにしたい事業者様

この記事を読んで得られる知識

・Web制作(=請負契約)と保守(=準委任契約)という異なる業務を、契約書に落とし込む具体的な方法

・基本契約書と個別契約書を使い分ける明確な理由と、それぞれの役割

・エンドユーザー向けの契約と、外注先向けの契約を連動させる実務の基本

・取適法やフリーランス新法に違反しない、双方にとって安全で透明性の高い発注書の作り方

この記事の3行要約

・Web制作と保守は法律上の性質が異なるため、両方のルールをまとめた基本契約書を最初に結び、個別の案件ごとに発注書(=個別契約書)を交わす方法が最もスムーズです。

・お客様に著作権を譲渡する場合、外注先からも確実に権利を譲り受けるなど、上流と下流の契約条件を一致させないと、自社が不利益を被ります。

・外注先へ渡す発注書は、取適法やフリーランス新法で定められた項目を網羅したフォーマットに整えることで、法律違反を防ぐことができます。

目次

まずはお気軽にご相談ください(初回無料相談のご案内)

コペル行政書士事務所では、初回相談30分を無料にて実施しております。

「自社の現在の契約書が法的に安全か確認したい」
「過去の反省を踏まえて、取引のルールを根本から整えたい」

このようなご要望に対し、現在の状況を丁寧にお伺いし、専門的な知見に基づく最適な法務整備の手順をご提案いたします。

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  • オンラインでのご相談も、もちろん対応可能です。

下記のボタンよりお気軽にご連絡ください。

それでは、基本契約書と発注書の適切な運用について、詳しく見ていきましょう。

なぜ基本契約書と個別契約書を分けるのか

Webサイトの制作や、その後の毎月の保守を請け負う際、そもそもすべての内容を単一の契約書にまとめるべきか、それとも基本契約と個別契約に分けるべきか。この点について疑問を持たれる事業者様もいらっしゃると思います。

結論から申し上げますと、法人間で継続的な取引を行うIT・Web業界においては、基本契約書と個別契約書(発注書)の2段構えにすることが最も合理的です。

基本契約書は変わらないルールを定める

基本契約書は、今後その取引先と仕事をする上で、常に共通して適用される大枠のルールを定めるための書類です。

具体的には、以下のような項目を記載します。

  • 知り得た情報を漏洩させないための秘密保持義務
  • 制作物の著作権をどちらが保有するかの帰属
  • 納品後に不具合が見つかった場合の契約不適合責任の範囲と期間
  • 万が一損害が発生した場合の賠償の上限額

これらは、発注される案件の内容が変わっても変動しない、根本的な約束事です。
これを最初に1回だけ締結しておくことで、企業間の強固な法務の土台が完成します。

個別契約書(=発注書など)は毎回変わる条件を定める

一方で、個別契約書は、その時々の案件ごとに変動する具体的な条件を定めるためのものです。

具体的には、以下のような項目を記載します。

  • 制作するWebサイトの具体的な仕様
  • 納品を行う期日
  • 報酬額
  • 支払期日

Web制作の現場では、「当初の予定よりページ数を増やしたい」「追加でバナー画像も作成してほしい」といった仕様変更や追加発注が頻繁に発生します。そのたびに数十ページに及ぶ契約書を一から作成し直し、双方で押印を行うのは、事務手続きの観点から非効率です。

最初に基本契約を結んでおけば、新たな案件が発生するたびに1枚の発注書と請書を交わすだけで、迅速かつ適法に取引を開始することができます。
仕様や金額が後から決まりやすいIT業界において、この機動性の高さは必要不可欠な仕組みと言えます。

請負(=制作)と準委任(=保守)の性質の違い

Webサイトを扱う契約においてもう一つ理解しておくべき重要な点は、制作業務と保守業務では、法律上の性質が全く異なるということです。

Webサイト制作業務

ホームページを作るなどの制作業務は、民法上の「請負(うけおい)契約」に該当します。

これは、仕様に沿った成果物を完成させ、それを引き渡すことに対して報酬が支払われる契約です。

仕事の完成義務があるため、納品後に約束と異なる部分や不具合が見つかった場合は、契約不適合責任として修補を行う義務を負います。

Webサイト保守業務

一方、納品後のサーバーの死活監視、定期的なアップデート、軽微なテキスト修正などの保守業務は、民法上の「準委任(じゅんいにん)契約」に該当します。

こちらは成果物の完成を目的とするのではなく、専門家として善良な管理者の注意をもって(善管注意義務)、一定の事務処理を継続的に行うこと自体に対して報酬が支払われます。

1つの基本契約書にまとめることが機能的

今回に限っては、これら2つの性質の異なる業務をそれぞれ別の基本契約書に分ける必要は特にありません(好みで分けるのはアリです)。

実務上は、1つのWebサイト制作および保守に関する基本契約書という書面の中に、「第〇章:制作業務について」と「第〇章:保守業務について」を分けて規定するのが機能的です。

こうしておけば、発注書の記載ひとつで制作のみ依頼する場合も、今月から保守も追加で依頼する場合も状況に合わせて柔軟な取引が可能になります。

契約の不備が招くトラブル(事例紹介)

ここで、不十分な契約体制のまま取引を進め、事業に大きな支障をきたしてしまった架空の事例をご紹介します。
今後の取引を安全なものにするための参考としてお読みください。

事例1:仕様変更による追加費用の未回収

ある制作会社が、口約束と簡単な見積書のみで大型のWebサイト制作を受注しました。
制作途中で、エンドユーザーから次々と機能追加の要望が出ました。

制作会社は良好な関係を保つため、「後でまとめて請求すればよいだろう」と善意で作業を進めました。
しかし、納品後に追加費用を請求したところ、エンドユーザーから「当初の見積り金額の範囲内だと思っていた」と支払いを拒否されてしまいました。

【対策】

基本契約書において「当初の仕様書に含まれない作業が発生した場合は、別途協議の上、追加の個別契約(発注書)を締結する」という手順を明文化しておく必要があります。

事例2:著作権の板挟み

Web制作を受注したA社は、エンドユーザーとの契約において「著作権は納品と同時にエンドユーザーに譲渡する」と約束しました。

A社は実際のコーディング作業などをフリーランスのエンジニアB氏に外注していましたが、B氏とは簡単なメールで納期のやり取りをしたのみで、著作権の取り決めをしていませんでした。
後日、エンドユーザーがWebサイトを大きく改修しようとしたところ、B氏から「私の著作物なので勝手に改変しないでほしい」と主張されました。

結果としてA社は、エンドユーザーとB氏の間で板挟みとなり、解決のために多大な時間と費用を費やす事態となりました。

【対策】

エンドユーザーに対して著作権を譲渡したり、納品後の修正などを約束したりする場合、全く同じ条件を外注先との業務委託契約書にも確実に組み込まなければなりません。

上流の契約と下流の契約の条件を連動させることで初めて、自社が法的なリスクから守られます。

取適法やフリーランス新法をクリアする適切な発注書の整備

外注先との契約において、近年、法務的に最も注意すべき法令が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(以下、取適法)(旧:下請法)」、そして近年施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス新法)」です。

もし貴社の資本金が1,000万円を超えており、外注先が個人事業主や資本金1,000万円以下の法人である場合、貴社の発注業務には取適法が適用されます。

また、資本金の額にかかわらず、フリーランス(個人で事業を行う方で従業員なし)へ業務を委託する場合には、フリーランス新法に基づく取引適正化のルールを守る必要があります。

これらの法律が適用される場合、外注先に交付する発注書には、法律で厳格に定められた項目を記載する義務があります。

これを怠ると、法令違反として指導や勧告の対象となる可能性があります。

発注書に記載すべき必須項目の例

・具体的な委託内容

・報酬の額

・支払期日(原則として物品の受領日または役務の提供日から60日以内)

・発注した年月日

「今まで使っていた独自のエクセル発注書で特に問題は起きていない」と認識されている場合でも、法的な視点で見直すと必須項目の記載漏れが存在するケースは多々あります。

コペル行政書士事務所では、貴社が現在ご使用中の発注書フォーマットを審査し、取適法やフリーランス新法の要件を満たす適法かつ実用的なフォーマットへの見直しを支援しております。

この適法な発注書フォーマットを1つ作成しておけば、下請けに対する発注時だけでなく、エンドユーザーから貴社への発注時にも同じフォーマットを使用することができ、取引全体の透明性と安全性が飛躍的に向上します。

単一の契約書にしたほうが良い例外的なケース

ここまで基本契約と個別契約を分ける仕組みのメリットを解説してきましたが、単一の契約書で済ませた方が良いケースも存在します。

それは、エンドユーザーが一般消費者である場合や、単発の取引しか想定されない小規模事業者である場合です。

その場合は、Webサイト制作および保守に関する契約書といった名称にし、本文に基本ルールを記載した上で、「具体的な仕様や金額は末尾の別紙に定める」とする単一の契約書形式にするのがいいかと思います。
ちなみに弊所では、基本契約書になるフォーマットの最後に取引内容を明示したものを添付しています。

貴社の主要な顧客層やビジネスモデルに合わせて、最適な契約書の形式をご提案いたします。

まとめ

ビジネスの成長に伴い、外部のパートナーと協力してより大きな案件を進行させることは、企業にとって不可欠なステップです。

しかし、利益を生み出すための営業活動と同時に、自社の土台を守る法務の整備が伴っていなければ、たった一度のトラブルでこれまでの利益が失われてしまう危険性があります。

経営者様が余計なトラブル対応に時間を奪われることなく、安心して事業の成長やサービスの質の向上に専念できる環境づくりこそが、法務手続きの専門家が提供すべき価値であると考えています。

まずは以下の2点について、自社の現状確認を行ってみてください。

  1. エンドユーザー向けと外注向けの契約内容に矛盾(例:著作権の移転タイミングなど)がないか。
  2. 日常的に使用している発注書は、取適法やフリーランス新法の要件を明確に満たしているか。

もし少しでも不明点や不安がある場合は、自己判断で済ませず、専門的な知見に基づく確実な手続きをご検討ください。

お問い合わせ・初回無料相談のご案内

コペル行政書士事務所では、IT・Web事業者様向けの契約書作成、契約内容の審査、取適法・フリーランス新法への適合確認など、事業の利益保全を目的とした法務サポートを提供しております。

「過去の契約トラブルを機に、次からはしっかりとした体制を整えたい」
「今の契約書や発注書が法的に安全か、一度専門家の目を入れてほしい」

このようなお考えをお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。
初回相談30分は無料にて承っております。

現在の状況を落ち着いてヒアリングし、事業の安全を確保するために必要な法務アクションを丁寧にご提案いたします。
また、コペル行政書士事務所では契約書の作成にとどまらず、法人設立や許認可申請など、事業の成長フェーズに合わせた法務手続きをワンストップで支援いたします。

複雑な法令や審査基準の正確な判断を通じて、経営者様の頼れる法務パートナーとして尽力いたします。どうぞお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

長崎県佐世保市で許認可申請・自動車登録を扱う行政書士です。

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