はじめに
日頃、お客様から「同じ手続きをお願いするのに、事務所によって料金が違うのはなぜだろう?」と疑問に感じることがあると思います。
現在、行政書士の報酬額は各事務所が自由に設定することになっています。これには、公正取引委員会が管轄する独占禁止法という法律が深く関わっています。今回は、少し業界の裏話的なテーマとして、この法律と士業の関係についてお話しします。
今回参考にしたページはこちらです。
強制入会制度と独占禁止法
独占禁止法とは、企業同士が不当に価格を合わせたり、競争を制限したりする行為を防ぎ、市場の健全な競争を守るための法律です。では、これがなぜ行政書士に関係するのでしょうか。
実は、行政書士をはじめ、弁護士、税理士、司法書士など法律で業務独占が認められている8士業には、ある共通点があります。それは資格を得ても、各都道府県の会(資格者団体)に入会しなければ業務を行えないという強制入会制度です。
全員が必ず同じ団体に所属しているため、もしその団体が「〇〇業務の報酬は一律〇〇円にしましょう」と決めてしまうと、市場から競争が完全に失われてしまいます。お客様からすればどこに頼んでも同じ価格になり、サービスの向上や価格競争の恩恵を受けられなくなってしまうのです。
ガイドラインが禁じる標準額や目標額
こうした事態を防ぐため、公正取引委員会は資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方という厳しいガイドラインを設けています。
この中で、士業の団体が会員に対して、
- 報酬の値引きを禁止すること
- 標準額や目標額といった、共通の目安となるような基準を設定すること
などは、独占禁止法違反につながるとして明確に禁じられています。
私たちが一律の料金表を作れない(作ってはいけない)理由は、まさにここにあるのです。
お客様の目安となる統計データ
「自由に決められるのは分かったけれど、それだと相場が分からなくて不安」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実は、団体が価格を決めることは禁止されていますが、お客様の選択の目安となるよう、過去の事実に基づいた客観的な統計データを公表することはガイドラインでも認められています。実際に、日本行政書士会連合会では定期的に全国の行政書士へアンケートを行い、この業務は、〇円〜〇円で受任した人が多いという報酬額の統計結果を公表しています。
おわりに
つまり、行政書士事務所ごとに料金が異なるのは、それぞれの事務所が、独自の強みやサービス内容に見合った適正な価格を考え、お客様に選ばれるために自由に競争している結果と言えます。
当事務所におきましても、提供するサービスの質とお客様にとっての納得感を大切にしながら、分かりやすく適切な料金設定を心がけております。費用やサポート内容についてご不明な点がありましたら、どうぞいつでもお気軽にお尋ねください。

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